こどもといっしょに。

concept


わたしは二人のこどもの父親です。
どこの親もそうであるように、子供には豊かな経験を通して成長していって欲しいと思っています。いろいろなものを見て、触れて、聞いて、感じて欲しいと思っています。

では、こどものために自分は何をしたら良いのか、何ができるか。
育児や教育に関する情報などから答えを探そうとしますが、あまりの多さに選択に困ってしまいます。

これまでこどもと暮らしてきて感じたことがあります。
「こどもにとって一番大切なもの、こどもが一番求めているものってなんだろう。」

教育やあそび、時にはものを与えたり、こどものためにと思いさせることですからどれも素晴しいことです。
しかしそれ以前にもっと大切なものがあるとこれまでの暮らしの中で感じたこと。それは、

「こどもといっしょにいること。」

ただそれだけです。
欲を言えば、お話したり、手を繋いだり、本を読んだり、いっしょに何かをしたりできれば言うことはありませんが、ただ横にいるだけ、ただいっしょにいるだけでこどもは安心感に包まれ、安らぎを得られるのではないかと感じています。
中には、家庭の事情や、仕事などでこどもとの時間をなかなか作れない人もいると思います。 わたし自身もそうです。 たとえ一時間でも、一分でもこどもといっしょにいられるのであればその時間をできるだけ大切にしこどもと触れ合うことができれば、それ以上の愛情表現ないのではないでしょうか。
特別に、ものを与えたり、どこかに連れて行くのもよいですが、ただいっしょにいられるだけでこどもはきっとこころの満足感を得ているのではないかと思っています。

わたしは 早く帰って来られた夜にはこどもと絵本を読んだり、休日には自然の中に出かけたりします。
「絵本は心の栄養」であることや「自然は偉大なる教師である」などといわれるように、どちらも子供の成長に良いと思うからですが、目的が「絵本を読むこと」や「自然の中で過ごす」ということで終わってしまうのではなく、「こどもといっしょに。」ということをいつも一番大切に考えたいと思っています。
絵本はこどもとの触れ合う時間のお手伝いをしてくれるもの。自然はこどもとの楽しい時間を与えてくれる環境。

こどもと暮らしている中でふと、思うことがあります。
もしこの場面で、自分がこどもだったらとか、自分がこどもの頃はどうだったか考えたりします。

こどもの頃の思い出って、どこかに行ったことや、何かを貰ったことも記憶にありますが、意外と何でもないことも覚えていたりします。
お父さんにおんぶされて近所を散歩した道の景色とか、旅行の時、親と手を繋いだその手の感触とか、家族との食事の風景や座る位置関係とか、お母さんの膝の上の気持ち良かった耳そうじとか、叱られて叩かれたことや、そのときの親の顔とか思い出してみると意外と特別なことではないものが多いように思います。 どれも素晴しい思い出です。
そんな思い出を今度は自分が親になり、これからたくさん創っていきたいと思います。

そしてわたしは父親であり、インテリアデザイナーでもあります。
こどもが喜ぶもの、欲しがるものを父親の観点から創っていきたいのは勿論、こどもともっと触れ合え、コミュニケーションのとれるものをこれから創っていきたいと思っております。 そして毎日の暮らしの中で、それをインテリアを通して感じ、家族の絆がより深まればいいなあと願っております。

かけがえのないこどものために。そして、世界中の家族の絆をより深めるために。
Love & Piece.

「父親がこどもに与えたいもの。」

それはこどもといっしょに過ごす時間、ふれあい、そして愛情です。

EMU.ENU  森田 展之

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